概要

ESP32でBLEのデモを動かす ESP32でBLEのデモを動かす 補足 で作ったESP32のBLE peripheral に pythonスクリプトでアクセスしてみる方法についてのメモ。

[!NOTE] 使用したESP32側のソースはこちら

前提

ESP側の設定は以下の通り。

• 自身のアドレスはランダムアドレス (BLE_ADDR_TYPE_RANDOM)
• ボンディングしない (ESP_LE_AUTH_REQ_SC_MITM)
• IO capabilityはNoInputNoOutput (ESP_IO_CAP_NONE)

pythonスクリプトはRaspberryPiで動作している(実際に試したのはPi4だが、Pi3/Pi0wでも同様)。
ubuntu-PCでも同様にできるはずだが、うちのマシンは内蔵Bluetoothのバージョンが古くてBLE非対応だったので試してない。
windows-PCはよくわからん…

準備

python仮想環境の準備

# 作業ディレクトリ作成
mkdir -p /work/ble/test1
cd /work/ble/test1

# 仮想環境構築
pyenv virtualenv 3.9.10 bluepy
pyenv local bluepy
pip install --upgrade pip setuptools wheel

# 必要なライブラリのインストール
pip install bluepy

プログラム

実行

ESP32側はAdvertising 開始状態にしておく。

sudo python ble_hr.py

デバイスのスキャンを行うのでsudoが必要。

[!NOTE] もし、scanせずにアドレスを指定して実行するだけの処理に書き換えればsudoは不要になる。

説明

BLE_HR_Delegateクラス

Notifyを受け取っての処理はbluepy.btle.DefaultDelegateクラスを継承したクラスを作成して登録する必要がある。
処理自体はhandleNotificationメソッドをオーバーライドして定義する。
受け取るデータdataはbytes型なので、数値として使用する場合はint.from_bytes()で数値に変換してやる必要があるが、
この時のエンディアンは接続しているデバイスのFW仕様によるので、どちらを使うかはあらかじめ確認しておく必要がある。
(大抵はFWを動かしているCPUのエンディアンなのかな?)

BLE_HRクラス

peripheralを操作するための処理をクラス化してある。
クラス化は必須ではないけど、処理をまとめておいた方が分かりやすいかな?と思ったので。

コンストラクタ、接続、Characteristicのリード/ライト、Notifyの有効化/無効化/ポーリング、切断などの処理がある。

main関数

メイン処理。
処理の流れはこんな感じ。

• デバイスのスキャン
• スキャン結果から指定されたUUIDを持つデバイスを探す
  • UUIDやデバイス名が必ずしも同じところにあるとは限らないので色々読んでみる必要がある
• 複数のデバイスを同時に操作することも可能だが、今回は最初の1個だけを決め打ちで使う
• 接続
• Characteristicのリード
  • ここもリード結果はbytes型なので、int.from_bytes()で数値に変換する
• Characteristicのライト
  • ライトデータはbytes型に変換する必要があるが、この処理は、BLE_HR.write()で変換しているのでここではそのまま。
• Characteristicのライト結果の確認
  • ライトできたか確認するために、再度リードしている
• Notifyの有効化
• Notifyが通知されることを確認するために少し待つ
  • Notifyを待つ間、BLE_HR.waitForNotifications()(Peripheral.waitForNotifications()のラッパ)をコールし続ける必要がある。
    これをコールしないとNotifyを受信できない(キューイングされるがコールバックは実行されない)。
• Notifyの無効化
  • Notifyが入らないことを確認するためにちょっと待つ
• 切断